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【コラム】ストップ!農作業事故(1)

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ストップ!農作業事故(1)

このページでは、人間工学専門家の石川文武氏による農作業事故に関するコラムを紹介します。
※「JA広報通信」から抜粋した記事です。

農作業事故件数は多いのか少ないのか(2013年3月号)
事故者を発見したら(2014年1月号)
組作業の安全(2014年6月号)
草刈り作業の安全(2014年7月号)
秋作業での心構え(2013年8月号)
コンバイン作業の安全(2014年9月号)
作業姿勢を考える(2014年11月号)
運搬作業の安全(2014年12月号)
防除作業の安全(2015年1月号)
家畜飼養管理作業の安全(2015年2月号)
より安全な農業機械を選ぼう(2015年3月号)
こんなとき、こんなことが危ない(2015年4月号)
農繁期の安全確保(2015年5月号)
夏の農作業事故を防止する(2015年6月号)
事故件数が多い農機具(2015年7月号)
収穫期の事故防止(2015年8月号)
加齢と事故(2015年9月号)
事故が起きてしまったら(2015年10月号)
事故を減らす地域の取り組みⅠ(2015年11月号)
事故を減らす地域の取り組みⅡ(2015年12月号)
ヒューマンエラーを防ぐ(2016年1月号)
無事であることの検証(2016月2月号)
安全装置の意義を理解しよう(2016年3月号)
トラクターの転倒(2016年4月号)
トラクターの片ブレーキ事故防止(2016年5月号)
歩行型農機のブレーキ確認(2016年6月号)
耕耘機ハンドルの跳ね上がり対策(1)(2016年7月号)
耕耘機ハンドルの跳ね上がり対策(2)(2016年8月号)
ハーベスタ―類への巻き込まれなどの防止(2016年9月号)
回転軸、ベルト、チェーンなどとの接触防止(2016年10月号)
刈り刃との接触防止(2016年11月号)
緊急停止装置の活用(2016年12月号)

◆農作業事故件数は多いのか少ないのか

農作業がたけなわになっています。多くの作物は春に種をまき、秋に収穫します。春作業の出来具合がそれ以降の生活に大きな影響を与えるのは確かですが、現代の機械化農作業では、春季に事故が多く発生しています。データがまとめやすい死亡事故について考えてみましょう。

年ごとに多少の増減はありますが、平均すると年間に400件の死亡事故が発生しています。負傷事故はこの数倍から数十倍発生しています。読者の皆さんはこの400という数値をどのように捉えるのでしょうか。「たった400件」「400件も」など、いろいろだと思います。実は「400件も!」なのです。実数で見れば交通事故や建設現場で亡くなる人の方が多いのですが、従事者10万人当たりという共通の物差しで考えると、2010年の場合、交通事故は3.7件、一般産業は3.5件、建設業は12.6件に対し、農業は12.7件で最も事故率が高いのです。

交通事故だけでなく、いろいろな産業で確実に事故率が低下していますが、農業だけは農業就業者が減少しているのに事故件数は減らず、事故率が上昇傾向にあります。

農作業事故を減らすために、行政・研究機関・農機業界などが努力していますが、目に見えた成果が上がっていないのが現実です。

農業では他産業と違って、使用者と労働者という区別がなく、労働安全衛生法・規則に定められた種々の取り決めを守らなければいけないという認識が低いことが原因の一つと考えられます。農業でも法人化などの組織化が進めば、安全確保がよりいっそう進むと考えられますが、一朝一夕に事が進みそうにはありません。

この連載では、なぜ農作業事故に巻き込まれるのか、どうやって事故の芽を摘む工夫をすればよいのかを解説していきます。

◆事故者を発見したら

農作業に限らず一般生活においても事故は起きてほしくないものです。しかし、いくら注意しているとはいえ、事故は発生します。

もしあなたが、けがをしたり、意識を失ったりしている人を発見したらどのように行動しますか?無関心を装う、助けてあげたいけどどうしたらよいか分からない、救急隊に連絡するだけ、などいろいろな対応が挙げられますが、最初にすべき行動は、救急隊に連絡するとともに一次救命を行うことです。一般的に救急隊が到着するまでに最低でも6分間かかるといわれています。傷病者の容体にもよりますが、一次救命を行わなかったことにより、出血多量となったり、脳細胞の活力低下につながったりします。一刻も早く回復できるような手助けをできるように心掛けていたいものです。傷病者に意識があるかないか、大出血をしているか、骨折などにより体が変形していないかなどを観察し、一次救命の内容を決めます。

まず傷病者を発見したら、応急手当てをするに当たり、周囲の安全を確認します。意識がある場合は安静体位をとらせます。意識があっても頭部への傷害が予想される場合には動かしてはいけません。意識の有無にかかわらず、大量出血がある場合には、清潔なタオルなどで止血作業をします。意識がない場合は、人工呼吸、心臓マッサージ、AEDを使って応急手当てをします。人工呼吸に抵抗がある場合には省略してもかまいません。心臓マッサージをしつつ、AEDが到着したら、パッドを貼って処置をします。心臓マッサージとAEDで意識を回復したら安心して救急隊に引き継ぎましょう。AEDの使い方など細かいことはお近くの消防署や赤十字で講習を受けてください。

◆組作業の安全

農作業の機械化が進んで、大半の作業は1人で行えるようになりました。しかし、作業によっては2人以上で取り組まなければならないこともありますし、補助的作業を行う人が必要な場合もまだまだあります。今回は、2人以上で作業する場合の安全確保について考えましょう。

長い物、重たい物を人力で運ぶ場合、負担量が均等になるように持ちましょう。足場にでこぼこがあったり、柔軟だったりするとバランスを崩すことがあります。取り掛かる前に点検しておき、支障がないように改良しておくのも大切な事前予防です。肥料袋や苗マットの受け渡しのように、渡し手と受け取り手で、「手を離すよ」「いいよ」と確認することで、取り落としを防ぐことが可能になります。「分かっているはずさ」などという思い込みが事故につながりますので、声に出して行動することが重要になります。

田植えや稲刈りの場合、補助作業者が機械の周囲にいることもあります。運転席からは見えないこともありますので、エンジンを始動するときやバックをするときはブザーを鳴らし、一呼吸待ってから行いましょう。また、補助作業者も機械との位置関係を常に確認し、機械に接近しすぎないようにしましょう。

根菜類の収穫では、機械の後方で選別を行うことがあります。異常を感じたときには、すぐに作業を中止できるように、運転者と補助作業者で合図を決めておきましょう。止めることをためらって巻き込まれなどによる大けがが頻発しています。「止める勇気」は大切です。

数人が組作業を行う場合、最も時間のかかる部分の作業ペースに合わせるように人員配置を工夫しましょう。草刈りのように作業者のペースが同じでも、「安全距離」を保つことを忘れてはいけません。

◆草刈り作業の安全

2012年の農作業死亡事故調査結果が農林水産省から公表されました。それによると、死亡は350件で3年連続で減少しました。今までは年間平均400件で推移していたのと比べると約50件の減少となり、安全意識が向上していると推測できますが、機械が関係している事故は減っていません。今月の話題である草刈り作業について見ると、刈り払い機では8件で、過去10年の合計63件からの平均より高くなっています。乗用草刈り機やモーアなどが関係している事故は不明です。ゼロではないでしょうし、負傷事故も多く発生しています。

事故の要因は以下のように分類できます。
1.安全防護装置を正しく使わない
2.第三者あるいは共同作業者との安全距離の不足
3.作業前の異物除去・確認の省略または不十分
4.のり面や斜面での姿勢不安定
5.草の絡み付き除去時のエンジン不停止、などです。

1は、飛散防護カバーは絶対に取り外さないこと、取り付け位置をずらさないことです。石や刈り刃の一部が作業者の方に飛んできて、失明など大けがをすることがあります。

2は、複数で作業するときは5m以上離れて行わなければなれません。第三者が連絡などで近づくときは15m以内に近づけさせてはいけません。

3は、道路に近接している圃場(ほじょう)には、空き缶やペットボトル、石などがあります、事前に取り除きましょう。また、電柱の支柱や取水口のコンクリートなどには目立つ印を付けましょう。

4圃場整備の結果、のり面が長くなっている部分があります。刈り幅は1.5m程度になるように小段を設けることが有効です。滑りを防止するためにはスパイク付きの靴を履くのも効果があります。

5は、草の種類や丈によっては絡み付きが生じますが、その場合は必ずエンジンを停止させてから取り除きましょう。一瞬の油断が大きな損失につながります。

◆秋作業での心構え

秋の農繁期です。各地と秋作業が本格化しています。納得いく実りの季節であることが期待されます。9月、10月は春と同様に農作業事故が多く発生する季節でもあります。時間にゆとりがないことを理由にして安全確認を怠ることのないようにしてください。

一般社会で行われている「危機管理」と同じことを農業でも取り組むと効果が期待できます。つまり、現時点から次の休憩までに取り組む作業について、機械、環境、作業者それぞれについて安全が確保されているか、危険の芽が育ちつつあるのではないか、考えられる危険の芽に対して、それをどのように摘めば、事故やヒヤリを回避できるか、危険を察知したらどのように行動すればよいか、5分程度かけて冷静に考えてみましょう。

「今まで危ないと思わなかった」「昨日(午前中)は無事だったから、同じことは危険予測しなくてもよい」「私の技術であれば、少々の危険状態は腕で解決できる」という態度はやめてください。例えば、午前中は晴天であっても、午後には雷雲が発達するかもしれません。また、連日の作業で自覚できていないが疲労がたまり、集中力が低下しやすくなっているかもしれません。

「危険予測」とは、「もしかしたら、危ないことがあるかもしれない。その場合に危険回避するための行動はこうしよう」ということを考えればよいのです。「危ないことが起こるはずがない」という考えは捨てましょう。集中力が低下すれば、失敗を犯しやすくなります。事故を起こしてから反省するのでは遅いのです。防犯活動と同様に、事前予防は大きな損失を防ぐ第一歩です。秋の農繁期が終わった時に、地域のみんなが明るい笑顔で収穫に感謝できることを期待します。

◆コンバイン作業の安全

コンバインでの作業はトラクターに比べて死亡事故はそれほど多くありませんが、後遺障害が残る重大事故や共同作業者が事故に遭う事例が多発しています。

死亡事故では、移動中の転倒・転落が大半です。運転席からは地面の状態が把握しにくく、路肩が雑草などで覆われていて踏み外すことがあります。また、進入路と道幅が適切でなく、走行速度とハンドル操作のタイミングが合わないと転倒・転落することがあります。

負傷事故では、籾(もみ)詰まり、藁(わら)詰まりの除去で動力を断たずに手を入れ指先を切断する事例があります。見掛けでは止まっているように見えても籾や藁の抵抗で止まっているだけですから、抵抗がなくなれば動き始めます。点検では関係する動力伝達部だけでなく、コンバイン全体の動力を停止することが必須です。点検で安全カバーを取り外した場合には、終了後必ず元通りにしなければなりません。また、手こぎ作業のときにフェードチェンに腕を巻き込まれる事故も多発しています。巻き込まれないように注意するとともに、緊急停止装置を作動させる練習も行うとよいでしょう。万が一、巻き込まれなどによって指などを切断した場合には、切断部を水洗いなどせずに、ガーゼでくるみ、間接的に氷で冷やして医療機関に持っていきましょう。再接合の可能性が高くなります。刈り取り中、特に後退するときは共同作業者の位置を確認しましょう。共同作業者もコンバインに接近し過ぎないように心掛けましょう。

人身事故にはなりにくいのですが、コンバイントレーラーにコンバインを載せて移動することがあります。路上に落とすことがないよう、コンバイントレーラーの接続ヒッチが外れないようにチェックすること、コンバインをしっかり固定することが必須です。

◆作業姿勢を考える

われわれは、立っている、いすに座っている、床に座っている、蹲踞(そんきょ)している、寝そべっている、膝を突いているなど、いろいろな姿勢で作業をしています。体幹の状態だけでなく、腕が肩より下か、上かなどについても考えて、快適な作業を行うように工夫しましょう。適切な姿勢は疲労を少なくし、結果として失敗も少なくなる可能性が高くなります。

作業姿勢についてはいつも動いている部分とじっとしている部分があります。体を動かすにしろ、同じ姿勢を保つにしろ筋肉を使っているのです。それぞれの作業にはもっとも疲労の少ない適切な作業姿勢があり、それに適切な作業台やいす、作業位置や並べ方があるはずです。

野菜類の選別作業を考えてみましょう。動いている腕と対象としている作物の位置関係などが悪ければ腕や肩の筋肉は疲れますし、じっとしている首、腹、腰、足の筋肉も疲れてきます。

すなわち、
(1)不自然な姿勢になっていないか:作業台といすと作業者の体格が不適切だと、決まった筋肉が緊張するので肩凝りなどを起こすことになります。

(2)安定した姿勢で作業を続けられるか:立ったり座ったりの動作を繰り返すような作業は披露しやすい。

(3)仕事の無駄な動きが入っていないか:モノの流れがクロスしたり重なったりするような配置は避けましょう。エネルギー消費を少なくできるモノの流れをつくり疲労を少なくしましょう。

40歳代くらいから多くなるのが腰痛です。個人の先天的な要素も多いのですが、拝金や腹筋が弱くなる年ごろからは腰痛の人が多くなります。体力づくりも欠かせませんが、不自然な姿勢で物を持ち上げないように心掛けましょう。中途半端な重さの物を扱うときに腰を痛めることが多いので、常に腰への負担を少なくする配慮が必要です。

◆運搬作業の安全

物を動かす(運ぶ)ことは生産活動の基本です。機械や道具を使って運ぶ、人力で運ぶ、という方法があります。農業では人力で物を動かす機会が結構多くあります。

人力運搬について考えます。産業衛生の分野では、重量物の取り扱いガイドラインとして「人力のみのハンドリングでは一度に運ぶ物の重さはご本人の体重の40%以下になるよう努力しましょう」「女性の持ち上げ能力は男性の60%程度」としています。体重65kgの男性では26㎏以下、女性では約15㎏以下ということになります。

さらに、高齢者ではそれよりも20%程度少ない数値と考えるのが妥当でしょう。数値が小さ過ぎて仕事がはかどらないと考えるかもしれませんが、肩や腰への負担を減らすには有効な方法です。1回の物のまとめ方や、2人で運ぶ、道具を使うなど運び方の工夫をしましょう。機械に燃料補給する場合に、重たいポリタンクを無理な姿勢で持ち上げることがありますが、小さな量に分けて給油することも負担軽減になります。
 

運ぶ物の大きさや重さ、移動距離によっては、機械・道具を使います。軽トラック、農用運搬車、モノレールなどを使いますが、農作業死亡事故の10%以上が運搬車に関係しています。軽トラックでは過剰積載と整備不良、農用運搬車では、圃場(ほじょう)内のみ乗用が認められているにもかかわらず、圃場外でも乗車して移動して転倒・転落する事故、モノレールでは、乗用禁止に指定されている機種でも乗用利用することによる暴走と車体からの転落、があります。また、荷の積み方によっては、操作者には影響がなくても、はみ出しなどによって第三者を傷つける場合があります。機械・道具の利用、人力運搬いずれでも、わが身および周囲の安全確保に気を配ってください。

◆防除作業の安全

防除作業時の安全について考えましょう。作業は機械や道具に農薬などを入れて散布します。従って機械に関係する事故と、農薬の毒性に関係する事故があります。

使用する機械として、スピードスプレーヤ(S S)や動力噴霧器、動力散布機があります。自走式の機械では転倒や転落、木や柱に接触して起こる首や肩への負傷があります。
S Sでは散布始めと終わりごろでは機体の重心位置が変化します。傾斜果樹園での作業には
安定確保を優先しましょう。また、後方の散布状況だけに注意し過ぎて木の枝に首を引っ掛けることもあります。キャブ付きS Sでは農薬被ばくも回避できます。

走行式防除機では直装式の場合、トラクターのフロントに適切な重さのウェートを必ず付けましょう。装着せずに走行すると操舵不安定になることがあります。また、給水時にはタイヤには乗らず、必ず脚立などを使い転落防止に努めましょう。水田などでの作業では風上から風下へ向かって散布しましょう。多口ホース噴頭を使った散布では共同作業になりますので、作業開始前に合図を決めておきましょう。圃場(ほじょう)の中を歩行しながら散布する場合は、散布した農薬の吸引を避ける工夫をするとともに、腰から下への農薬付着がありますから、液が染み込まない作業服が必須です。
 

散布対象圃場・作物以外への飛散がないように配慮を忘れてはいけません。防除作業では使用する農薬による中毒症状があります。
希釈割合を間違え、濃いままの散布、散布液が漂っているハウス内への
立ち入りによる被ばくや吸引による中毒があります。
防除作業用の作業服を着用し、防毒マスクも活用しましょう。
作業後は顔や手の洗浄をしっかり行い、当日の飲酒は控えましょう。
 

                            

◆家畜飼養管理作業の安全

肥育牛および乳牛の飼育を中心として、飼料生産作業と 畜舎内の作業安全について考えましょう。  

飼料生産では、比較的大型の機械化体系での作業が普通になってきました。 生草、サイレージ、乾草としての給与があり、「フォーレージハーベスター」 「モアー」「ヘイコンディショナー」「テッダ」「レーキ」「ベーラー」 「ラウンドベーラ」などを使います。どちらも傾斜地での作業が多くなりますので、旋回時の転倒に注意する必要があります。 また、牧草が詰まったときには、必ず作業機の駆動を停止させてから点検調整をしなければいけません。サイロへの投入や取り出しでも事故が起こることがあります。 組作業の場合には合図を決めるとともに、共同作業者のいる場所にも常に注意が必要です。  

畜舎内作業では、飼料給餌やボロ出しなどで巻き込まれ事故が起こることがあります。 また、フォークを足に刺す事故もあります。搾乳時や放牧牛を畜舎内へ追い込むときに、 牛とのコミュニケーションがうまくいかないと、蹴られたり座られたり、角で突かれることがあります。 発情期には普段と違う行動をする牛もいますから、牛とのスキンシップをよく図り、牛のストレスを 軽減するように努めましょう。畜舎内では排せつ物などもあり、 負傷すると化膿(かのう)する可能性が高いので、作業中であってもすぐに医療機関にかかりましょう。  

牛は後ろ足を後方に上げて蹴ることが多いのですが、状態によっては、側方に足を振ることもあるようです。 乳房清拭(せいしき)やティートカップ装着時には慣れがあっても油断しないようにしましょう。採卵やブロイラー飼育を行っている鶏舎では、粉じん濃度が高い場合があります。 適切な換気を行うとともに、粉じんが周辺の環境に影響しないように配慮が必要です。

◆より安全な農業機械を選ぼう

春は新規就農者が多い季節です。高等学校や大学を卒業して就農する人、定年などで他の産業から転職就農する人、などがいます。現在は作業手段として農業機械がなくてはやっていけません。親世代からの引き継ぎでは一通りの機械がそろっていますが、就農の機会を捉えて機種変更をしたり、新規購入をしたりする場合もあります。価格が大きな判断基準にもなりますが、ご自分の考えている営農方法に適している性能と作業の安全性を最優先で機種決定をしましょう。

現在はインターネットでいろいろと調べることができるので、どの機種・型式がご自分の希望に合っているのかの比較も簡単にできます。よく分からない場合には、地元の農業者大学校に相談するとよいでしょう。農業を楽しく継続するためには、高品質や多収を追うよりも事故を起こさないことが一番です。ほとんどの機械には型式検査証票や安全鑑定証票が貼られて安全装置が施されていますが、時々、そのマークが付いていない機種も売られています。マークが付いていない機械は、安全装備が一部省略されていたりしますので、マークの付いている機械に比べて事故に遭う割合が高くなるかもしれません。価格が安いからといって、そのような機械を購入すると、トータルとしてかえって高いものになってしまうこともあります。中古機を求める場合は、安全装備の有無の確認が大切です。

機械を導入しても、安全第一で作業しないと事故につながる割合が高くなります。取扱説明書をよく理解するとともに、圃場(ほじょう)内での操作や道路上での移動などについては基本的なことを農業者大学校などで研修を受けることが必須です。自己流の農業は結果として失敗につながることが過去の事故事例から分かっています。安全第一を忘れないでください。

◆こんなとき、こんなことが危ない

事故を起こそうとして行動することはまずありません。「気が付いたら事故になっていた」というのが実態でしょう。事故が発生すると直接原因を追究することが大半ですが、再発防止のためには背景要因を分析し、対策につなげることが大切です。「まさか、そんなことで」と思うかもしれませんが、なぜ人間が不安全行動に陥るのか、ともに考えましょう。

体調が起因する要因として、尿意が強かった、眠気を催す薬を服用した、などがあります。尿意を我慢することにより周囲への気配りが弱くなり、危険を察知する能力が低下します。また、風邪薬などには眠気を催す成分が入っています。市販薬で体調を回復することも有効ですが、作業に影響するかもしれない成分の有無を確認しましょう。

天候の急変や、圃場(ほじょう)状態、機械の調子によっては円滑な作業が妨げられることもあります。また、休憩時間が迫っていても残りの作業がもう少し、というときなどに事故が誘発されることがあります。つまり、作業予定に狂いが生じることにより「焦り」が生じ、作業が正常に遂行できなくなることがあります。

農業機械や農具と作業者との連携が不足した事故の要因もあります。点検や調整をしない、取扱説明書を読まない、取扱説明書に書いていないことをする、正しい工具ではない代用品を使う、やったことのない作業を練習なしで取り組む、安全保護具を使わない、などがあります。

そこまで気を使わなければいけないのか、と思うかもしれませんが、「人間はミスをする動物」です。ヒヤリハットを減らすことによって、けがや重大事故も減ります。何気ない不安行動をなくすように努力しましょう。

◆農繁期の安全確保

初夏に向けて農作業が忙しくなります。忙しさにかまけて安全への意識が薄くなると、事故に遭う割合が高くなりますし、それに伴う時間の損失も発生します。そうならないために事前の準備が大切です。

まず、農繁期の前に行うことがあります。人と機械と環境の健康診断を行いましょう。どこかに不具合があるのを感じていてもそれを無視したり、大したことはないと勝手に決め付けて作業に取り組むことはやめましょう。作業は全てが円滑に流れて初めて成り立つのです。自身の健康状態は自分でよく分かります。自覚症状が出ていないときの状態をホームドクターに見ておいてもらえれば小さな変化も把握してくれます。機械や環境の健康も同様に把握し、小さな症状を見逃さずに適切に点検整備する配慮が必要です。

人・機械・環境が健康状態で農繁期に入っても、無理は禁物です。無理のない作業計画を立て、1日の中には適切な休憩時間を確保すること、1週間に2日程度は休息日を設けましょう。特に最近の農作業は肉体労働より頭脳労働の割合が増えていますから、メンタルの疲れをため過ぎず、早めの回復を図ることが肝要です。

作業の機械化が進んで1人作業が多くなっています。定期的に家族との連絡を取ることもお互いの安全確認にとって有効です。また、組み作業を行う場合には、事前の打ち合わせと合図の確認を行いましょう。「いつもと同じパートナーだから大丈夫さ」が期間の始まりです。「分かっているはず」「危ない場所にはいないだろう」「こちらの行動は理解しているはず」といった思い込みが最も危ないのです。何事も石橋をたたいて渡るような気持ちを忘れないでください。事故が起こってから反省しても意味がありません。

◆夏の農作業事故を防止する

営農の内容によって異なりますが、農作業は一段落という季節です。農作業事故は春と秋に多く発生していますが、夏の農作業でも注意しなければならないことがあります。

皆さんがすぐ思い付くことは「熱中症」です。強い日差しや日陰でも気温の高い場所での作業では、体温の上昇と体内の水分の蒸発で体のバランスが崩れます。熱中症は農作業中だけでなく、日常生活の中でもよく起こります。発症防止のためには、適切な休憩、水分補給、通気性の良い作業服を着用する、帽子をかぶる、などです。異常を感じたら早めの対処が大切です。また、熱中症の人を発見したら、日陰に寝かせ、首、胸、腹、脇、股などを乾いたタオルで拭き、震えさせない程度にタオルや帽子などであおいで風を当てることです。同時に救急手配も行いましょう。

草刈り中の事故も多発しています。顔や手足を防護し、時にはイヤマフ(ヘッドホン型の遮音器具)も着用して暑中作業を行いますので、短時間で疲労が現れます。無理に作業を続けると意識が低下し、足を滑らせたり、キックバックを受けて転倒することがあります。転び方によっては、刈り刃が体に接触し大けがにつながります。他の作業以上に小まめに休憩を入れましょう。

ハウス内や果樹園、水田での防除作業も農薬被ばく回避のための作業着を着用するのが原則ですが、危機管理意識が弱いと農薬中毒になることもあります。厳しい農薬管理と同様に適切な防除用作業着の着用が必要です。

最近は夏の豪雨がよく報道されます。都会では地下街が浸水することがありますが、水田地帯でも用水路から水があふれ、大事な作物が冠水してしまうことがあります。田畑の排水を一刻も早く行いたいという気持ちは分かりますが、豪雨が通り過ぎてからの点検を心掛けましょう。特にお年寄りが水路の点検に行って流されてしまうことが多発しています。焦らなくても大丈夫です。

◆事故件数が多い農機具

2013年に発生した農作業死亡事故の調査結果概要が農林水産省から発表されました。それによると、死亡件数は前年と同じ350件でした。少しは対策への効果が認められるかもしれません。農業機械に関わる死亡事故の多い機種は乗用型トラクター、歩行型トラクター、農用運搬車で全体の47%を占めています。けがも含めて他の調査結果と併せて見ると、刈り払い機(草刈り機)、乗用型トラクター、軽トラック、コンバイン、チェーンソー、歩行型トラクターが多く、全体の60%程度を占めています。草刈り機、コンバイン、チェーンソーなどでは死亡事故はあまり多くありませんが、「刃」を持つ機械なので、指などの切断につながる重傷事故が多いようです。

死亡事故の多い機種では転倒・転落が大半です。乗用型トラクターは安全フレーム・キャブの装着が進んでいることもあり、トラクター死亡事故全体の67%程度まで減ってきていますが、未装着のトラクターがなくならない限り、死亡ゼロに達するのにあと20年程度かかると予想されます。歩行型トラクターは操作が比較的簡単なため高齢者が使うことが多く、ダッシング(急発進)やハンドル跳ね上がりに対し即座に対応できず、事故を起こすことが多くなっています。発進時の慎重な捜査を心掛けてください。

刃を持つ機械の事故は、詰まりなどで駆動部を停止させずに取り除こうとする場合が最も多いです。見た目には止まっていても抵抗があって止まっているだけなので、慌てずにエンジンを止めるか、関連クラッチを切るなどしてから行いましょう。また、草刈り機では石などに当たって欠けたチップソーなどが作業者側に飛んできます。ゴーグルやフェースガード、すね当てなどでの防護が必要です。コンバインで手こぎをするときは、フィードチェンの緊急停止装置の位置を確認し、シーズン前に停止の練習をしましょう。

◆収穫期の事故防止

多くの農産物が間もなく収穫の季節となります。心を込めて育てた作物を満足のいく形で手に入れるための第一歩は安全に作業を行うことです。事前の準備と作業中、作業後の安全確保が大切です。

事前の準備では、点検整備が欠かせません。これを怠ると作業中のトラブルで時間と品質を失います。整備工場に依頼する以外に自分で整備できる場合もあります。消耗品などは自分で交換しましょう。

収穫期には、圃場(ほじょう)内外での事故が多く発生します。組み作業では合図と共同作業者の居場所の確認を必ず行いましょう。「分かっているはず」「大丈夫だろう」はいけません。機械の操作では事故が起きなくても、収穫物の運搬や手作業で事故が発生します。コンバイン作業を例にすると、手こぎ時のフィードチェンへの巻き込まれ、袋取りもみ運搬時のぎっくり腰があります。高圧線近くでのオーガーによる搬出時の感電にも注意が必要です。圃場間移動でも、コンバイントレーラーに固定しないでの積載、不確実な運結などで事故が起こります。詰まりが起きたときには、エンジンを停止させてから取り除きましょう。見た目は止まっていても、抵抗がなくなれば機械は動きます。慌てずに「トラブル発生時にはまず止める」です。

水稲以外でも収穫の時期になります。選択収穫の場合には、人力作業が主となります。作業姿勢と運搬方法、労働時間に配慮しましょう。無理は禁物です。機械での一斉収穫ができる作物では、例えばジャガイモ、ビート収穫機のように運転者以外に機械後方に選別作業者がいます。選別者の負荷が大きくならないように運転者が作業速度を適正にする必要があります。牧草収穫では傾斜地作業があります。直進時だけでなく旋回時の転倒を防ぐため、地表の起伏を確認することも大切です。

作業後には必ず点検を行い、翌日・来年に備えましょう。



◆加齢と事故

2013年に農作業事故が350件発生しました。そのうち65歳以上の割合は78%で、農業従事者の中の高齢者の割合よりも高くなっています。つまり、高齢者の事故率が高いことになります。

人間は25歳前後で身体諸機能が最高となり、それを過ぎると次第に低下してきます。もちろん、徐々にですから、気が付きにくいのです。例えば、高齢者の方は視力や聴力の低下は現実に感じていると思います。反応時間も確実に低下していきます。振動や音の変化、あるいは作業中の機械の異常発生、警報音などに気付くのが遅くなったり、まったく気づかなかったりすることがあります。適切なタイミングでの処理が遅くなったり間違えたりするのです。これが大小の事故やヒヤリハットにつながります。

農業の機械化によって筋肉負担は軽減されてきていますが、精神負担は以前より増えています。負担の性質が変わってきていることと、心身諸機能の低下を自覚して作業に取り組んでください。

今までの連載を読み返して、どのようにすれば事故に遭わないかを復習・実行してください。

最近の新聞記事によれば「高齢化が進んでいるのは現実だが、65歳以上の高齢者の身体機能や健康レベルは10~20年前よりも上がっている」という研究結果があるそうです。しかし、加齢による変化のばらつきは青壮年により広がっています。全員が若返っているわけではありません。自身の状態を過大評価することなく、安全で確実な農作業を遂行できるよう心掛けてください。

単独作業でも共同作業でも、高齢者の場合には、従前よりも作業計画にゆとりを入れ、十分な休息時間を組み込みましょう。「まだ若い!まだできる」といったうぬぼれはやめましょう。

◆事故が起きてしまったら

事故を起こしたり、事故現場に遭遇したらどのように対応すればよいでしょうか。いまや「想定外」という無責任は通りません。事故の状態を把握し、適切な救護を行えば、死亡に至らないこともありますし、治癒も早まるといわれています。

事故は、大きなものからヒヤリハットまでさまざまですし、機械関係、動物関係、農薬関係、転倒・転落など幅広いものです。原因は何であれ、事故を発見したら、まず周囲の安全確保です。それから傷病者の意識の有無、出血の有無を確認し、救急手配をします。

手配の後は救急隊が到着するまで、一次救命を行うことが必要です。大出血があれば止血手当てをします。意識があれば、安静体位(詳細は「応急手当講習」で学んでください)を取らせます。意識がないときは、AEDの手配と同時に人工呼吸や心臓マッサージを行います。人工呼吸は感染が疑われる場合には省くことができます。発見者などが一次救命活動をしても助けられなかったといって、罰せられることはありません。

救急隊の到着は10分前後かかります。その間に「助ける」という行動が必要なのです。一次救命の方法は日本赤十字や消防署で講習を受けてください。機械が体に食い込んでいる場合にはそれが止血となっていることがありますから、無理に引き抜かず、機械の一部を機械から分離しておくことが大切です。指などが切断された場合には洗わずにガーゼにくるみ、間接的に氷で冷やして救急隊に渡しましょう。

小さなけがでも破傷風や動植物の毒などに感染していることがあります。必ず医療機関にかかりましょう。単なる打撲と勝手に判断しても、実際は脱臼や骨折の場合もあります。自己診断は避けましょう。

事故が発生したら、類似事故の再発を防ぐための対策を検討しましょう。直接原因でなく、間接的な原因も解明することで再発防止に近付きます。



◆事故を減らす地域の取り組みⅠ

安全への意識が高くなっても事故がゼロになることはまずあり得ません。システムの故障であったり、気象条件によって事故が誘発されたり、防ぎ切れないヒューマンエラーだったりします。「事故ゼロは難しいが、被害をできるだけ小さくしよう」という意識で取り組んでいる例を紹介します。つまり、予防安全に取り組んでいる事例です。

北海道の畑作地帯で農業を行っているAさんは、汎用(はんよう)コンバインを導入しました。機械が大きく死角が多いことに気付き、畑の中での共同作業者への接触だけでなく倉庫への出入りで柱への衝突などに危険を感じました。

そこで、運転席から死角になっている部分を細かく検討し、死角がなくなるように監視装置を取り付けました。運転席からはモニター画面を一つだけではなく、複数に切り替えられるようにし、注視したい部分だけを大きくして確認できるように改造しました。

配線やカメラが作業に支障を来さないように工夫し、バッテリーの電圧変動にも耐えられるようにして完成させました。その結果、作業中の精神的負担が軽減され、ヒヤリハットも起こさなくなったということです。この事例を参考にして、近隣の農家でもJAなどと協力して同様の対策を取る人が増え、地域での予防安全は成果を上げ始め、他の機械で作業しているときでも、安全意識が高くなり、地域での農作業事故が少なくなりました。

といっても、畑作地帯は平たん地ばかりではないので、トラクターの転倒事故が時々発生します。安全キャブの普及が進んでいるので、横倒しになる程度の事故であれば、キャブの効果で大けがにつながることは少なくなりました。

安全への投資がどのように反映されるかよく分からないから、できるだけ安全投資を控えたいという考えの人もいますが、安全投資が無駄ではないという事例です。



◆事故を減らす地域の取り組みⅡ

水田地域での事故防止の取り組みを紹介します。中山間というより少し平たん部分の多い中国地方の事例です。

機械化作業を推進するために基盤整備を行い、一筆が広くなり、作業の効率化が実現できましたが、整備前より農道と圃場面の段差が大きくなり、進入退出に危険を感じることが多くなりました。特に作業後の退出では前輪の分担荷重が小さく浮き上がり後方転倒の危険性があるため、作業機を地面すれすれまで降ろすこと、左右ブレーキの再連結を退出前に行うことを徹底させました。これによって地域でのトラクターや田植え機の転倒事例が減少しました。

一方、のり面の除草では、作業幅が広く、傾斜が急になり、作業姿勢を安定させにくく、転倒の危険が多くなりました。そこで、のり面長さ2メートル程度ごとに小段を設け、作業者が立つ位置が平らになるよう造成し直しました。

その結果、立ち姿勢が安定し、刈り残しなども減り、転倒や滑落の危険がほとんどなくなりました。また、組作業の場合には、上段側の作業者が後方で5メートル以上離れて行うことも徹底させました。基盤整備の前や小段を作る前は刈り払い機による負傷事故がよく発生しましたが、改良後にはほとんど事故は発生していません。

このような活動は、地域の農業機械士会が中心となって意識を浸透・実行させた成果です。作業者の高齢化が進み、安全対策の意義を一般農業者に理解させるのに時間はかかりましたが、集会などで丁寧に説明して理解させた賜物です。

上に述べた安全対策の実行とともに、集会では農作業事故の怖さを伝え、事故防止のための取り組み方や万が一の救急処置などの研修も行い、農作業現場だけでなく日常生活においても事故や病気への対応に役立っているようです。


◆ヒューマンエラーを防ぐ

写真が裏焼きだった、という事例があります。カレンダーの写真が裏焼きで回収した事例があります。この場合は半分笑い話で済みますが、レントゲン写真の裏表を間違えて正常な臓器を摘出してしまった場合には笑い話になりません。

納豆にソースを掛けたり、塩と砂糖を間違えたりすることもあります。笑えるエラーと笑えないエラー、許されるエラーと許されないエラーはどこで違ってくるのでしょうか。エラーそのものには何の違いもないのですが、エラーを犯した場所や状況、エラーの対象、それらから必然的、偶然にもたらされたエラーの結果なのです。つまり同じ行動が時と場合によりエラーになったり、普通の行動になったりします。

人は誤りを犯しやすい動物なのです。しかし
(1)ところ構わずでたらめにミスを犯しているわけではありません。どんな場合にミスを犯しやすいかを知ることが問題解決に結び付きます。
(2)故意にミスを犯すわけではありません。ミスを犯す瞬間には自分の不安全行動を意識することはありません。
(3)つまらぬミスは繰り返しても、手痛いミスはめったに起こしません。
(4)「うっかり」の心理は複雑で、大脳の活動という点からいえば活発に活動しているときではなく、むしろ休息気味のリラックスした状態のときにエラーが発生することがわかっています。

ミスを起こさないようにするにはいろいろな対策例がありますが、基本として、自分の強いところと弱いところを自覚し、弱い点が表に出てこないような行動を取ることが大切になります。

ヒューマンエラーのメカニズムやそれらを起こしにくくするための細かい部分は心理学や大脳生理学を理解しないと難しいのですが、基本は危険予知を習慣づけること、日頃体験したヒヤリハットを仲間にも報告し再発防止に結び付けることです。

◆無事であることの検証

私たちは日常生活・作業において大半を無事・無事故で過ごしています。たまにヒヤリハットを感じたり、小さなけが、大きなけがに遭遇したりしています。ヒヤリハットやけがについてはその背景要因や直接原因を思い起こし、分析することで再発防止のための行動に移ることができます。

ところで「今日も一日無事に過ごすことができた」というときに、危険予知・予測をしたことによって事故の芽を事前に摘み取ることができた場合もあるでしょう。しかし、そんなことには思いも及ばずに「今日一日が無事」で済んだ要因を考えることはほとんどないでしょう。

作業手段である農業機械も事故を防ぐための安全装備が施されています。これらの装備は、何をしなくても廃棄するまで確実に効果を発揮してくれる場合と、定期的にメンテナンスをしないと効果を発揮していくれない場合があります。

一般の自動車では定期点検が義務付けられていて、使用時間や走行距離によって交換すべき部品も決まっており、それが思わぬ事故を防ぐ役割を果たしています。しかし、定期点検をしなかったからとか、部品を交換しなかったから事故が発生したと言い切れるようなデータはなかなか見つかりません。農業でも、低コスト生産に向けて一時支出は高くてもトータル支出が低くなることを狙って点検整備が安全確保につながる可能性があるという情報提供と実施を促す活動が一部で行われています。

しかし、冒頭で述べたように「無事に済んだ」ことは何がそう導いたのか分析がとても難しいことになります。感覚的には理解しても、費用対効果の面からの理解が進まないと実施には移せないかもしれません。

点検整備を励行することが事故の減少に間接的につながるかもしれないことは容易に想像できますが、一般の方に納得させることのできるデータが存在していなかったことに気付いている次第です。

◆安全装置の意義を理解しよう

労働安全衛生法という法律の名前を聞いたことがあるでしょう。働く人、働かせる人、それぞれに重要な法律です。この法律の目的は省略しますが、農作業に関係することは、(1)機械に関する規制、(2)機械を使う者(使わせる者、事業者)に対する規制、があります。

(1)機械に関する規制
危険を伴う作業に用いる機械等については、利用に供されるようになってから安全衛生上の対策を講じるよりも、製造・流通の段階で必要な措置を講じておく方が効果的であり、そのような機械については労働安全衛生法でいくつかの規制が加えられています。例えば、危険・有害な作業を必要とする物は、厚生労働大臣が定める規格・安全装置を備えなければ譲渡(販売)などを行ってはならないとされており、動力により駆動される機械などで、作動部分上の突起物や動力伝導部分等に危険防止のための措置が施されていない物は譲渡(販売)や展示などをしてはならないとされています。これに基づいて、農業機械にも種々の安全対策が施されています。

(2)機械を使う者(使わせる者、事業者)に対する規制
事業者は、労働者を雇い入れたときは、その労働者に対し、安全または衛生のための教育を行わなければならず、快適な作業環境を形成し、職場における労働者の安全と健康を維持するため、事業者に種々の義務を課しています。特に作業の種類や内容によっては、当該業務に関わる免許を受けたり、技能講習を受けたりしていない者には従事させてはいけないことが定められています。

このような法律の主旨にしたがって、農業機械にもさまざまな対策が施され、事故や疾病の予防につながるような努力がされています。

◆トラクターの転倒

農作業死亡事故では乗用トラクターに関わるのものが最多で、年間100件以上発生しています。そのうち70%程度がトラクターの転倒または転落による死亡です。

現在、農業機械に要求されている安全装置のほとんどは「接触などにより負傷したりすることのないように」という、いわゆる「予防安全」として施されています。しかし、倒れないトラクターが存在しない状況下では、「倒れてもオペレーターが死亡しないための安全装備」、すなわち「事後安全」にしましょうというのが国際的な共通理解です。この考えから、転倒しても運転者を守る十分な空間を確保するために「安全フレーム」が開発され、運転席からの飛び出しを防ぐため、作業環境の改善のために運転席周囲を囲う「安全キャブ」が一般的になってきました。フレームとキャブを総称して転倒時保護構造(ROPS)といいます。

諸外国では、トラクターへの装着を促進し、その結果、転倒による死亡者が激減しています。日本でもROPSの装着率が次第に上昇していますが、いわゆる「裸のトラクター」もまだまだ稼働しているので、激減とはなっていません。農研機構生研センターの分析によれば、転倒・転落による入院・死亡は、ROPS無しで32%、ROPS有りで13%となり、有効性を認めています。今後、装着率の上昇により死亡件数の減少を期待しています。

安全フレームには、運転席後方にロールバー状の形をした2柱式と、運転席周囲に4本の柱を立てている4柱式があります。果樹園やハウス内でトラクターによる作業を行う場合には、特例的に2柱式フレームを後方に倒して使う(可倒式といいます)ことが認められていますが、作業後の道路走行時に起こすことを省き、転倒・転落事故を起こす事例がたびたび発生しています。「起こすのが面倒だった」と命拾いをした人は言いますが、倒す・起こすは簡単に行えるようになっていますので、一時の労を惜しんで悲惨な状況へ突進するようなことは避けてください。

◆トラクターの片ブレーキ事故防止

農作業死亡事故は乗用トラクターに関わるものが多く、その中でも転倒や転落に分類されるケースが大半です。しかし、なぜ転倒・転落に至ったのかの詳細は報告されていません。筆者らの調査によれば、道路上での事故の大半は片ブレーキが主要因になっていると分かりました。

乗用トラクターはブレーキペダルが右用と左用とに分かれていて、通常は同時に働くようにリンクで連結されています。そのリンクを外すことによって圃場(ほじょう)内では旋回性能を高めるために左右のブレーキが独立して作用し、枕地手前で右側のペダルを踏めば、その場旋回のように右回りできます。

圃場での作業開始時にはオペレーターが連結を解除して行い、終了時には再連結するのですが、人間の行動特性として、再連結を忘れたまま次の行動に移ることがあります。そのため、圃場から道路に出て速度を上げて走り、すれ違いや右左折、信号停止などでのブレーキ操作時に片ブレーキとなって転倒・転落や他の車との接触・衝突事故になります。

トラクターは一般の車と違って、ハンドルを回して車体の向きが変わった後でもタイヤの向きが自動的に真っすぐにはならず、操作が必要とされています。運転操作や作業の研修を受けていなかったりして、道路に出てすぐに右左折しなければならないときに適切な速度でない場合には、車体コントロールができないことがあり、パニック状態となって蛇行したり、片ブレーキを踏み、事故になることも見受けられます。

いずれもヒューマンエラーの典型です。従来は人の注意力に頼っていましたが、このミスを機械側から補うことができれば、片ブレーキ事故は減らせます。最近のトラクターには、ダッシュボードに片ブレーキ状態を示すランプが取り付けられています。道路走行に移る前に再連結を促しているのですが、万全の装備とは言い切れません。

圃場から出る前にはブレーキの連結状態を確認する危険予知行動を習慣付けるようにしましょう。



◆歩行型農機のブレーキ確認

自動車教習所では、エンジンをかけて走り始めるという動作を覚える前に、動いている車をどうやって停止させるかを理解・行動させることが重要になっているようです。

農業機械でも同様です。道路運送車両法で自動車として型式認定を取っている自走式機械は、制動機構と共に定められた制動能力を発揮できなければなりません。また、必要な運転免許も有していなければなりません。農業機械には、自走式であっても、行動を移動することが認められないケースが多くあります。歩行型の管理機やバインダー、自走自脱などです。田畑の中は道路ではないので作業計画に沿って移動することに制限はありません。しかし、走り始めたからにはどこかで停止させなければなりません。

「停止」することに多くの技術は必要としないと思われるかもしれませんが、実際は無知や無謀によるブレーキ操作の失敗が事故に結び付いています。歩行型トラクター(耕耘機)では低速で平たん時での作業時には、メインのクラッチを切るか左右のサイドクラッチを切るとこで停止させることができます。しかし、傾斜地であったり、移動速度が速い場合に、短時間・短距離で停止させるには、ブレーキ操作をしなければなりません。最近の機種では、ハンドルから手を離せばクラッチが切れるものもありますが、速度が速い場合はすぐには停車しません。また、地面が硬いときの耕耘では、ダッシングを起こすこともあります。危険予知を行うとともに、緊急操作をシュミレーションにより習熟しておくことが大切です。

各作業の前にブレーキレバーの位置確認と操作方法の確認をしましょう。事前に対策を考えておくことによって、事故にはならずヒヤリハットで済ませることが可能です。

動いている機械を止める技術を確立させるとともに、円滑と思われる作業中でも緊急停止させる場面がないとはいえません。時間のロスを心配するよりも安全を最優先させて「止める勇気」を持ちましょう。


◆耕耘機ハンドルの跳ね上がり対策(1)

最近では乗用型の機械作業が大半になっています。しかし、乗用機械では作業効率が低い中山間の狭小圃場やハウス内、1行ほどの短い野菜作などでは、歩行型機械が使われており、さまざまな事故も発生しています。

耕耘機や管理機のように車軸が一つの機械では、主クラッチのつなぎ方によっては前進発進時にはハンドルが下がります。逆に後退発進するときにはハンドルが跳ね上がります。不用意なクラッチの接続を行うと、後退発進時に巻き込まれたり、挟まれたりします。今回は巻き込まれ(2014年は6件発生)事故防止のための安全装備と事故防止対策を考えましょう。

後進時のロータリー停止装置について。エンジン回転が高いまま後退発進しようとするとハンドルが跳ね上がり、体が不安定となり地面の状態によっては作業者が転び、機械の下敷きになることがあります。そのときにロータリーが回転していると転んだ上に機械が進んできて、足や腹部をロータリーに巻き込まれることがあります。そのような事故を防ぐために、「バック耕耘けん制装置」が備えられています。

バックしようとするときに、ロータリーのクラッチが入っていると変速ギアがバックに入らないようになっています。ロータリーを停止位置にすればバックに入って後退発進が可能になり、発進時に転んでしまい巻き込まれても作業機によるダメージは小さくできます。

ハンドル回転式の場合には、ハンドルと水平方向に90度または180度回転させればけん制装置が解除され作業することも可能です。さらに、ロータリーカバーが装備されています。これは土の飛散を抑えるだけでなく、足先がカバーに触れると危険ですよ、という意味も含まれています。

どちらも事故の可能性を小さくするための装備です。点検や整備に不都合だから取り外してしまおう、なんて考えてはいけません。


◆耕耘機ハンドルの跳ね上がり対策(2)

耕耘機や管理機などの一軸型の歩行型農業機械は、地形的条件や作目によってはまだ使われていますし、乗用型機械を使いこなすことが技術面・体力面から困難になっている高齢者にも使われています。そして、発進時に注意を怠ると思わぬ事故につながることが多いのも事実です。今回は挟まれ事故防止について解説します。

後退発進時にハンドルが跳ね上がっていることはほとんど全ての農業者が体験しています。多くはヒヤリハットで済んでいますが、作業者の後方に壁、木、電柱などがあった場合には機械を抑制できずに挟まれ、ハンドルに胸や首を押し続けられて絶命する事故もあります。2014年には歩行型トラクターの死亡事故30件のうち、挟まれが原因は14件もありました。

後方発進時にエンジン回転数が高いままクラッチをつなぐと人を持ち上げるほどの力と速さでハンドルが跳ね上がります。危険予知をしていれば持ち上げることは防げますが、人はミスを犯しますから絶対に大丈夫とはいきません。ループハンドルであればハンドルで体を持ち上げられたり押し付けられたりします。つの型ハンドルの場合には、ハンドルから手放すとクラッチが切れる装備が施されています。つの型ハンドルでは、主クラッチレバーを「切」にしなければなりません。慌てると、この操作ができなくなります。安全装備が施されている機械では重大事故は起こりにくいのですが、購入後の年数が長い機械は装備がありません。装備の有無を理解した上で、ハンドル跳ね上がりへの危険予知とその対策をしっかり立てましょう。

後退発進をするときは、バック耕耘けん制装置を使うこと、エンジン回転を定格より下げること、主クラッチはゆっくりとつなぎ、反対側の手でしっかりとハンドルを押さえることです。


◆ハーベスター類への巻き込まれなどの防止

今回はポテトハーベスタ―、ケーンハーベスタ―、フォーレ―ジハーベスターなどの作業安全を考えます。これらの機械は、機械と作物の接点が稲作用機械に比べて広くかつ強く、作業者が接触しやすい形になっています。もちろん、作業者が巻き込まれたりしにくいような安全装備がなされていますが、部分的には安全対策技術が不確実な箇所もあり、事故が発生しています。またハーベスターは対象作物によって形状が異なるため、言葉では共通の防護であっても、内容には違いがあります。

共通部分としては、ドライブシャフトに関わるもので、動力取り入れ部分やドライブシャフトへの巻き込まれ防止対策が必要です。動力取り入れ部にあるカバーが有効か、ドライブシャフトの防護カバーが破損していないか、カバーの回転防止が施されているか、などを確認します。対策ができていないと、作業着などが巻き込まれる恐れがあります。

ポテトハーベスタ―では、選別のための補助作業者がいますが、作業者がプラットフォームから転落したり、コンベヤーに巻き込まれたりしないような対策がされています。プラットフォームからの転落防止ガードを使うこと、危険を感じたときに緊急停止装置をためらわずに使うことが必要です。シーズン前に練習しておきましょう。

サトウキビを収穫するケーンハーベスタ―では、かき込み部分での事故が発生しています。かき込み部分で詰まりが発生したときに、かまやフォームで取り除こうとしますが、作業部を停止せずに行うと、詰まり除去後にかき込み部が動きだし作業者が巻き込まれます。コンバインのかき込み力とは比べられない強さで巻き込まれます。必ず作業部を停止させて詰まりを除去しましょう。

飼料を収穫するためのフォーレ―ジハーベスタ―では刈り取り部への巻き込まれ、飼料成型部への巻き込まれなどが発生しています。安全装備を有効に使ってください。


◆回転軸、ベルト、チェーンなどとの接触防止

農業機械はエンジンからの力を軸やチェーン、ベルトなどの伝動装置によって作用部を動かしています。軸は軸受けに支えられていますが、軸端が触れやすい場所にあると、作業中に何げなく触れて負傷することがあります。また、チェーン、ベルト、プーリーなども、かみ込み点付近での接触により負傷することがあります。作業者が触れてしまうようなこれらの場所については、必要最小限の作動部を除く可動部はカバー、ケース、囲いなどによって防護され、変形しやすかったり、熱を持ったり、指や手が届くようなものであってはいけないことになってます。

現在販売されている機械の大部分はこれらの防護装置が施されていますが、その対策技術に対するメーカーおよび使用者の安全意識が不十分と考えられて、事故が起こっている例があります。例えば、点検整備のために取り外すことができるカバーでは、機械から完全に取り外すことができる構造だと、点検後に再取り付けせず動かすことも可能です。本質的な防護としては、カバーの一端をちょうつがいなどで機械とつないでおくことです。また、しっかり再装着しないとエンジン始動ができない工夫が加えられているとより有効な装備となります。

機械の使用者にとって、これらの安全装備は過剰に思える場合もありますが、農業の場合には、特別な資格を必要とする機械・作業と除いて全員が技能研修を受けているわけではなく、技量、安全意識の違いがあり、国際的な取り決めで安全距離(※)を保つ仕組みになっているので、厳しい基準とはいえません。

安全装備が施されていても、機械と作物や土との接点は防護し切れません。使用者間で安全意識を統一しましょう。

※安全距離:作業者の腕などが可動部に達しない距離で、作業位置から測定する。幼児でも接触しない網目、背の高い人でも届かないような高さなどが基本です。



◆刈り刃との接触防止

農業機械には、作物を切断するための刃が備えられているものがあります。昭和40年代の末期に農作業事故が増加しましたが、農業関係者に「機械のどの部分に危険を感じますか」というアンケートを行いました。その結果、「刃」が最も怖いという結果となりました。

主な農業機械のうち、刃による事故が多く報告されていたのが、刈り払い機、茶摘み機、バインダー、コンバインでした。安全鑑定では「刈り刃が容易かつ急速に停止できる構造であること、ただし、作業者が通常は接触する恐れがない場合にはその限りではない」(基準・内規の文章そのままではありません)とされ、安全対策が取られてきました。

刈り払い機では、スロットルレバーを離すことにより緊急停止するようになりましたが、危険を察知して操作をしても瞬時に止まるわけではありません。また、始動時や作業中に自分や第三者を傷つける事故が後を絶ちません。第三者が接近するときの合図励行と、組み作業時の5メートル以上の安全距離を保つこと、斜面では足場の安全確認が大切になっています。なお、飛散物防護カバーは全体にはずしてはいけません。

茶摘み機では、携帯型では片手を離すと停止する装備になっていますが、無効化してしまう事例が続いており、作業者の安全意識向上が必要です。可搬型では、補助者側からも緊急停止させるレバー等が装備されています。バインダーでは、デバイダーと引き起こし装置が防護の役目を果たしていることから、事故が少なくなりました。

コンバインでは、排わらカッタでの負傷事故が多発していました。最近は、わら詰まりが生じたときに、自動停止する装置になっていますので、事故の減少が期待できますが、わらの抵抗で作動部は停止しているだけの場合もありますので、取り除くときには、エンジンが停止していることも確認しましょう。

「いちいち止めてはいられない」という考えはやめましょう。一時の油断が損失を招くのです。



◆緊急停止装置の活用

「作業中に危険を感じたら、ためらわずに止める」ことは、農作業以外でも当然のことです。「あと少しだから」「今止めると全体の流れに影響するかも」とためらっていると、危険の芽を摘むことはできなくなります。作業が終了したときは、それぞれの手順で機械を止めます。同じ操作ですが、緊急時にも迅速に機械を止める技術が要求されます。

止める方法として、ブレーキを掛ける、作用部を止める、エンジンを止める、と分けられます。移動機械にはブレーキが装備され、道路運送車両法に基づいた認定を受けている物は、その法律に適合していなければなりません。それ以外の移動農機では、数メートル以内で停止するような常用ブレーキと、駐車ブレーキの装備が必要です。単軌条運搬機(モノレール)では、暴走に備えた緊急ブレーキも必須です。それぞれが有効に働くように調整し、常に停止操作を練習しておきましょう。刈り払い機(草刈り機)では、最高速回転時に5秒以内で刈り刃が停止するようになっています。携帯型の茶摘み機では、どちらかの手をハンドルから離すと停止するようになっています。また、コンバインやフォーレージブロワーなどでは、巻き込まれ防止のために、作業場所の至近に動力遮断装置が装備されています。

歩行型トラクターでは、バック時に背部の物に挟まれたときにワンタッチでクラッチがオフになる狭圧防止装置も付けられています。

エンジン停止を迅速かつ確実に行えることも事故を小さくする手段です。エンジン停止は1回だけで短時間のうちに停止しなければなりません。農業機械のエンジン停止装置にはさまざまな種類があります。普段は機械を操作しない家族にも停止方法だけは実行できるようにしておく必要があります。

農業機械は長く使われます。安全装置が施されていない長寿の機械を使っている場合もあるでしょう。点検整備を怠らず「いざというときにどのように止めるか」を身に付けて作業に取り組んでください。


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